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日本國憲法

昭和21年11月3日憲法

目次

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日本國憲法公布記念式典の勅語(昭和21年11月3日)

 本日、日本國憲法を公布せしめた。
 この憲法は、帝國憲法を全面的に改正したものであつて、國家再建の基礎を人類普遍の原理に求め、自由に表明された國民の総意によつて確定されたのである。即ち、日本國民は、みずから進んで戦爭を放棄し、全世界に、正義と秩序とを基調とする永遠の平和が実現することを念願し、常に基本的人権を尊重し、民主主義に基いて國政を運営することを、ここに、明らかに定めたのである。
 朕は、國民と共に、全力をあげ、相攜へて、この憲法を正しく運用し、節度と責任とを重んじ、自由と平和とを愛する文化國家を建設するやうに努めたいと思ふ。

 朕は、日本國民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、樞密顧問の諮詢及び帝國憲法第73條による帝國議會の議決を経た帝國憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
 御名 御璽
    昭和21年11月3日
       內閣総理大臣兼外務大臣 吉田   茂
       國務大臣男爵      幣原 喜重郎
       司法大臣        木村 篤太郎
       內務大臣        大村  清一
       文部大臣        田中 耕太郎
       農林大臣        和田  博雄
       國務大臣        斎藤  隆夫
       逓信大臣        一松  定吉
       商工大臣        星島  二郎
       厚生大臣        河合  良成
       國務大臣        植原 悅二郎
       運輸大臣        平塚 常次郎
       大蔵大臣        石橋  湛山
       國務大臣        金森 徳次郎
       國務大臣        膳  桂之助

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日本國憲法

 日本國民は、正當に選挙された國會における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸國民との協和による成果と、わが國全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦爭の慘禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が國民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも國政は、國民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は國民に由來し、その権力は國民の代表者がこれを行使し、その福利は國民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本國民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸國民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狹を地上から永遠に除去しようと努めてゐる國際社會において、名譽ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の國民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの國家も、自國のことのみに専念して他國を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自國の主権を維持し、他國と対等関係に立たうとする各國の責務であると信ずる。
 日本國民は、國家の名譽にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

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第1章 天皇

第1條 天皇は、日本國の象徴であり日本國民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本國民の総意に基く。

第2條 皇位は、世襲のものであつて、國會の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第3條 天皇の國事に関するすべての行為には、內閣の助言と承認を必要とし、內閣が、その責任を負ふ。

第4條 天皇は、この憲法の定める國事に関する行為のみを行ひ、國政に関する権能を有しない。
 天皇は、法律の定めるところにより、その國事に関する行為を委任することができる。

第5條 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその國事に関する行為を行ふ。この場合には、前條第1項の規定を準用する。

第6條 天皇は、國會の指名に基いて、內閣総理大臣を任命する。
 天皇は、內閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第7條 天皇は、內閣の助言と承認により、國民のために、左の國事に関する行為を行ふ。

  1. 憲法改正、法律、政令及び條約を公布すること。
  2. 國會を召集すること。
  3. 衆議院を解散すること。
  4. 國會議員の総選挙の施行を公示すること。
  5. 國務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任狀及び大使及び公使の信任狀を認証すること。
  6. 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
  7. 栄典を授與すること。
  8. 批準書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
  9. 外國の大使及び公使を接受すること。
  10. 儀式を行ふこと。

第8條 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜與することは、國會の議決に基かなければならない。

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第2章 戦爭の放棄

第9條 日本國民は、正義と秩序を基調とする國際平和を誠実に希求し、國権の発動たる戦爭と、武力による威嚇又は武力の行使は、國際紛爭を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。國の交戦権は、これを認めない。

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第3章 國民の権利及び義務

第10條 日本國民たる要件は、法律でこれを定める。

第11條 國民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が國民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び將來の國民に與へられる。

第12條 この憲法が國民に保障する自由及び権利は、國民の不斷の努力によつて、これを保持しなければならない。又、國民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13條 すべて國民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する國民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の國政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14條 すべて國民は、法の下に平等であつて、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、経済的又は社會的関係において、差別されない。
 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
 栄譽、勲章その他の栄典の授與は、いかなる特権も伴はない。栄典の授與は、現にこれを有し、又は將來これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第15條 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、國民固有の権利である。
 すべて公務員は、全體の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第16條 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第17條 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、國又は公共団體に、その賠償を求めることができる。

第18條 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19條 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20條 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団體も、國から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に參加することを強制されない。
 國及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第21條 集會、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第22條 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
 何人も、外國に移住し、又は國籍を離脫する自由を侵されない。

第23條 學問の自由は、これを保障する。

第24條 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立腳して、制定されなければならない。

第25條 すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 國は、すべての生活部面について、社會福祉、社會保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第26條 すべて國民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
 すべて國民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

第27條 すべて國民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
 賃金、就業時間、休息その他の勤労條件に関する基準は、法律でこれを定める。
 児童は、これを酷使してはならない。

第28條 勤労者の団結する権利及び団體交渉その他の団體行動をする権利は、これを保障する。

第29條 財産権は、これを侵してはならない。
 財産権の內容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
 私有財産は、正當な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

第30條 國民は、法律の定めるところにより、納稅の義務を負ふ。

第31條 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

第32條 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

第33條 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令狀によらなければ、逮捕されない。

第34條 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を與へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正當な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第35條 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33條の場合を除いては、正當な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令狀がなければ、侵されない。
 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令狀により、これを行ふ。

第36條 公務員による拷問及び殘虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

第37條 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機會を充分に與へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、國でこれを附する。

第38條 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不當に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

第39條 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

第40條 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、國にその補償を求めることができる。

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第4章 國會

第41條 國會は、國権の最高機関であつて、國の唯一の立法機関である。

第42條 國會は、衆議院及び參議院の両議院でこれを構成する。

第43條 両議院は、全國民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
 両議院の議員の定數は、法律でこれを定める。

第44條 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信條、性別、社會的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

第45條 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

第46條 參議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半數を改選する。

第47條 選挙區、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

第48條 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

第49條 両議院の議員は、法律の定めるところにより、國庫から相當額の歳費を受ける。

第50條 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、國會の會期中逮捕されず、會期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、會期中これを釈放しなければならない。

第51條 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

第52條 國會の常會は、毎年一回これを召集する。

第53條 內閣は、國會の臨時會の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、內閣は、その召集を決定しなければならない。

第54條 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以內に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以內に、國會を召集しなければならない。
 衆議院が解散されたときは、參議院は、同時に閉會となる。但し、內閣は、國に緊急の必要があるときは、參議院の緊急集會を求めることができる。
 前項但書の緊急集會において採られた措置は、臨時のものであつて、次の國會開會の後十日以內に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

第55條 両議院は、各々その議員の資格に関する爭訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多數による議決を必要とする。

第56條 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半數でこれを決し、可否同數のときは、議長の決するところによる。

第57條 両議院の會議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多數で議決したときは、秘密會を開くことができる。
 両議院は、各々その會議の記録を保存し、秘密會の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを會議録に記載しなければならない。

第58條 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
 両議院は、各々その會議その他の手続及び內部の規律に関する規則を定め、又、院內の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多數による議決を必要とする。

第59條 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
 衆議院で可決し、參議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多數で再び可決したときは、法律となる。
 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議會を開くことを求めることを妨げない。
 參議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、國會休會中の期間を除いて六十日以內に、議決しないときは、衆議院は、參議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

第60條 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
 予算について、參議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議會を開いても意見が一致しないとき、又は參議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、國會休會中の期間を除いて三十日以內に、議決しないときは、衆議院の議決を國會の議決とする。

第61條 條約の締結に必要な國會の承認については、前條第二項の規定を準用する。

第62條 両議院は、各々國政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

第63條 內閣総理大臣その他の國務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

第64條 國會は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

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第5章 內閣

第65條 行政権は、內閣に屬する。

第66條 內閣は、法律の定めるところにより、その首長たる內閣総理大臣及びその他の國務大臣でこれを組織する。
 內閣総理大臣その他の國務大臣は、文民でなければならない。
 內閣は、行政権の行使について、國會に対し連帯して責任を負ふ。

第67條 內閣総理大臣は、國會議員の中から國會の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
 衆議院と參議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議會を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、國會休會中の期間を除いて十日以內に、參議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を國會の議決とする。

第68條 內閣総理大臣は、國務大臣を任命する。但し、その過半數は、國會議員の中から選ばれなければならない。
 內閣総理大臣は、任意に國務大臣を罷免することができる。

第69條 內閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以內に衆議院が解散されない限り、総辭職をしなければならない。

第70條 內閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて國會の召集があつたときは、內閣は、総辭職をしなければならない。

第71條 前二條の場合には、內閣は、あらたに內閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

第72條 內閣総理大臣は、內閣を代表して議案を國會に提出し、一般國務及び外交関係について國會に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

第73條 內閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

  1. 法律を誠実に執行し、國務を総理すること。
  2. 外交関係を処理すること。
  3. 條約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、國會の承認を経ることを必要とする。
  4. 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
  5. 予算を作成して國會に提出すること。
  6. この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
  7. 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

第74條 法律及び政令には、すべて主任の國務大臣が署名し、內閣総理大臣が連署することを必要とする。

第75條 國務大臣は、その在任中、內閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

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第6章 司法

第76條 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に屬する。
 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
 すべて裁判官は、その良心に従ひ獨立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

第77條 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の內部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

第78條 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

第79條 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員數のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、內閣でこれを任命する。
 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際國民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
 前項の場合において、投票者の多數が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相當額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

第80條 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、內閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相當額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

第81條 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

第82條 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する國民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

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第7章 財政

第83條 國の財政を処理する権限は、國會の議決に基いて、これを行使しなければならない。

第84條 あらたに租稅を課し、又は現行の租稅を変更するには、法律又は法律の定める條件によることを必要とする。

第85條 國費を支出し、又は國が債務を負擔するには、國會の議決に基くことを必要とする。

第86條 內閣は、毎會計年度の予算を作成し、國會に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

第87條 予見し難い予算の不足に充てるため、國會の議決に基いて予備費を設け、內閣の責任でこれを支出することができる。
 すべて予備費の支出については、內閣は、事後に國會の承諾を得なければならない。

第88條 すべて皇室財産は、國に屬する。すべて皇室の費用は、予算に計上して國會の議決を経なければならない。

第89條 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団體の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に屬しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

第90條 國の収入支出の決算は、すべて毎年會計検査院がこれを検査し、內閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを國會に提出しなければならない。
 會計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

第91條 內閣は、國會及び國民に対し、定期に、少くとも毎年一回、國の財政狀況について報告しなければならない。

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第8章 地方自治

第92條 地方公共団體の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

第93條 地方公共団體には、法律の定めるところにより、その議事機関として議會を設置する。
 地方公共団體の長、その議會の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団體の住民が、直接これを選挙する。

第94條 地方公共団體は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲內で條例を制定することができる。

第95條 一の地方公共団體のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団體の住民の投票においてその過半數の同意を得なければ、國會は、これを制定することができない。

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第9章 改正

第96條 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、國會が、これを発議し、國民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の國民投票又は國會の定める選挙の際行はれる投票において、その過半數の賛成を必要とする。
 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、國民の名で、この憲法と一體を成すものとして、直ちにこれを公布する。

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第10章 最高法規

第97條 この憲法が日本國民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び將來の國民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第98條 この憲法は、國の最高法規であつて、その條規に反する法律、命令、詔勅及び國務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
 日本國が締結した條約及び確立された國際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第99條 天皇又は摂政及び國務大臣、國會議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

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第11章 補則

第100條 この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
 この憲法を施行するために必要な法律の制定、參議院議員の選挙及び國會召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。

第101條 この憲法施行の際、參議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、國會としての権限を行ふ。

第102條 この憲法による第一期の參議院議員のうち、その半數の者の任期は、これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

第103條 この憲法施行の際現に在職する國務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、當然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、當然その地位を失ふ。

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